真珠のお手入れ方法とは?劣化した真珠が回復するクリーニングまで徹底解説

真珠は、その独特の美しさと高級感から、古くから人々に愛され続けてきました。特に日本では冠婚葬祭や子供の大切な行事など、さまざまなシーンで欠かせないジュエリーとして親しまれています。しかし、一方で真珠が劣化して表面が剥がれたり、穴口が割れたり、黄ばんだりしてしまうことがあります。これは真珠に汗や汚れが付着したり、適切な保管環境が整っていないことが原因です。真珠を長く美しく保つためには、どのようなお手入れや保管をすればいいのでしょうか。今回は、そんな真珠のお手入れ法について詳しくご紹介します。

「正しい」お手入れで真珠を長く愛用しよう

真珠は生物から生まれる宝石で、硬く石のように見えますが、実際は人と同じ有機質でできています。つまり、無機質のダイヤモンドなどとは異なり、特有の劣化しやすさがあります。湿気、紫外線、乾燥、酸性の食べ物など、さまざまな要因が真珠を劣化させます。これらは皮膚と同様、真珠の状態に大きな影響を及ぼします。しかし、皮膚と同じように、適切なメンテナンスを行えば、真珠は長い間美しさを保つことが可能です。

劣化・黄ばみを防ぐための真珠の正しい扱い方とは

真珠を長く使い続けるためには、正しいお手入れと保管方法が欠かせません。着ける前のチェックポイントや、真珠のジュエリーを身に着けている最中の注意点をここで紹介します。

ネックレスを着ける前に、糸の伸び・ワイヤーの折れを要チェック

糸が伸びているパールネックレス
糸が伸びたパールネックレス

真珠ジュエリーを身に着ける前に、まず糸の状態をチェックしましょう。糸が伸びてしまったり、ワイヤーが曲がってしまって、ネックレスがヨレてしまっていると、身に着けている時に切れてしまう可能性があります。結婚式やお葬式で真珠が散らばってしまうと、拾い集めるのが大変なだけでなく、「縁が切れる」ことを連想させてしまうためにNGです。糸の状態に異変があれば、すぐにお店で糸替えをしてもらうことをおすすめします。

パールネックレスの留め具も要チェック

パールネックレスの留め具(クラスプ)交換
パールネックレスの留め具(クラスプ)交換

ネックレスの留め具(クラスプ)も要チェックです。留め金の接着部分が甘くなっていると、ネックレスが外れて紛失する原因になります。留め具が緩んでいる場合には、早めに交換することをお勧めします。多くの真珠専門店では、留め具の交換サービスを行っていますので、気軽にご相談ください。最近では、落ちにくいマグネットタイプなど便利性とデザイン性が向上したクラスプが出ています。

パールリングは利き手の反対の手に着けよう

パールリングの着ける指
パールリングの着ける指

真珠のリングは、できるだけ利き手と反対の手に着けることをお勧めします。利き手ではバッグを探ったり、ドアノブを開け閉めしたりと、手を頻繁に使います。そのため、リングにぶつけられたり、引っ掛けられるリスクが高まります。利き手の反対の手にリングを着ければ、衝撃や引っ掻きよる傷リスクを軽減することができます。

黄ばみ・劣化を防ぐには、真珠を着けるタイミングが大切

パールネックレスを着けるタイミングはいつ?
パールネックレスを着けるタイミングはいつ?

真珠ジュエリーは、お化粧や香水などの身支度が終わった後に着けるのが理想的です。お化粧品が真珠に付着して、それを長年放置していると、美しい光沢が失われてしまいます。美しく真珠を身に着けるためには、真珠が汚れないように気をつけることが大切です。

真珠の剥がれや割れは、酸性の汚れにご注意

緊急対策で水洗い
酸の汚れはすぐに水洗い

真珠は酸性物質に弱く、ワインやオレンジジュースなどの酸性の高い液体が付着したまま放置しておくと、真珠の表面層が白っぽく濁る、剥がれる、あるいは割れるといった問題が生じる可能性があります。通常、真珠のメンテナンスでは水洗いは避けるべきですが、万が一、酸性の汚れがたくさん付着した場合は、速やかに水洗いを行い、水分を丁寧に拭き取った後、専門店にて糸替えの対応を依頼しましょう。

真珠の劣化を防ぐ外した後のお手入れ方法と保管方法とは

真珠を美しく保つためには、身につけた後のお手入れが重要です。適切なケアをすることで、真珠の劣化を予防することができます。

黄ばみと劣化を防ぐために、外した後は必ず拭きましょう

パールネックレスを拭く
真珠は拭くだけで長持ちする

真珠ジュエリーを外したら、まず柔らかい布で拭くことを心がけましょう。メガネ拭きでも構いませんが、真珠専用のクロスを用意するのが理想的です。真珠は拭くだけで、汚れによる真珠の黄ばみや劣化を防ぐことができます。

パールてりクロスがおすすめ

パールネックレスのお手入れ
重宝するパールてりクロス

真珠専用のクロスにはテリを回復する繊維素材が使用されており、真珠の美しさが長持ちします。ただし、一部のクロスには研磨剤が含まれており、これは真珠の光沢がなくなったときに使うもので、日常的なお手入れには適していません。真珠にあまり詳しくない方が研磨剤入りのクロスで拭くと、美しい真珠層まで剥がれてしまう可能性があります。

■ おすすめ:【パール テリクロス】超極細繊維と特殊成分により、真珠のテリの回復と劣化を予防する

正しい保管方法とは?湿気を避け、適切なケースを選ぶ

アコヤパールネックレスの入ったパールケース
パールネックレスケース

真珠を綺麗に拭いた後は、ジュエリーケースに保管しましょう。真珠の糸を痛めないために、ゆったり入る大きめのケースがおすすめです。一方、ビニール袋などに真珠を入れっぱなしにしておくと、風通しが悪いだけでなく、ビニールの原油成分が真珠を劣化させる可能性があります。真珠は必ずケースに入れて、直射日光の当たらない、風通しの良い場所に保管しましょう。

■ おすすめ:【パールケース】ネックレス・イヤリング・リング3点セット用ケース

真珠の美しさを保つための定期的なお手入れとは

真珠はずっと保管しておくのでなく、たまにはケースから出して軽く拭いてあげましょう。真珠が劣化するのは表面に皮脂や汚れが付着し、それが長年放置された場合が多いためです。また真珠は定期的にお店でメンテナンスしてもらうことで美しい状態が長持ちします。オススメのメンテナンスをご紹介します。

真珠のクリーニングは、着ける日の1ヶ月前までに

特別な日に真珠を身につけたいという場合は、着ける予定の1ヶ月前までに一度チェックし、必要に応じてプロにクリーニングを行ってもらいましょう。これは、長い間保管していた真珠の表面や糸が劣化している可能性があるからです。

ネックレスの糸替えは定期的に行い、安心して真珠を使おう

パールネックレスの糸替え
切れにくいGPT糸で糸替え

パールネックレスの糸が伸びたり、ワイヤーが曲がったりした場合、専門店にて糸替えをしてもらいましょう。一見すると問題なさそうでも、糸が伸びるとその繊維が損傷している状態、またワイヤーが曲がっていると切れる前兆である可能性があります。メンテナンスの一環として、定期的に専門店でプロのチェックを受けることをおすすめします。

糸替えに使用するおすすめの糸

パールネックレスの糸
パールネックレスの糸

一般的な糸替えでは絹糸やワイヤーが使用されますが、最近では耐久性が高く切れにくいグンゼ製の高密度ポリエチレン「GPT」の使用も増えています。GPT糸の取り扱いは専門的な技術を要するため、対応している店舗は限られますが、おすすめの糸ですので専門店に確認してみましょう。糸替えの目安としては、ワイヤーや絹糸であれば約3年、GPTなら5年〜7年とされています。

真珠の光沢を取り戻す「パールリフレッシュ加工」

パールリフレッシュ加工
パールリフレッシュ加工

もしパールの表面が白くなってしまったり、テリが失われてしまった場合はパールリフレッシュ加工がおすすめです。パールリフレッシュは、真珠の表面が汚れによって溶解した真珠層を磨き整える加工です。古い玉ねぎを一皮剥いたように中の美しい真珠層が表面に出るため、美しいテリが回復する可能性があります。真珠を磨くといっても1000層以上ある真珠層を1〜2層程度をピーリングする加工ですので、真珠が小さくなる心配はありません。

真珠の耐久性を上げる「マイクロパーマネント加工」

真珠のマイクロパーマネント加工
真珠のマイクロパーマネント加工

白くなってしまった真珠を電子顕微鏡で拡大すると、真珠層に亀裂や割れが生じていることがあります。この割れをカバーし本来の輝きに戻すのがマイクロパーマネント加工です。これは出来てしまった亀裂に高分子化合物を含侵してテリと透明感を回復させる方法で、耐久性も向上させることができます。古い絵画や美術品の修復作業にも使われる安心できる技術です。

真珠の糸替え・クリーニングなら神戸・福山の「えり正」へ

神戸市北区にある呉服・真珠のえり正

神戸や福山で真珠のメンテナンスをお考えなら、「えり正」にお任せください。着物と真珠のスペシャリストである私たちは、お客様の真珠の状態を詳細にヒアリングし、最適なメンテナンスをご提案します。絹糸だけでなく耐久性に優れたGPT糸やワイヤーから選ぶことが可能です。また、パールリフレッシュやマイクロパーマネントといった方法も提供しており、白くくすんでしまった真珠も本来の輝きに戻すことが可能です。真珠の劣化にお困りの際は、どうぞ「えり正」にお任せください。

真珠はお手入れで輝き続ける

この記事では、真珠のお手入れ方法や使用時の注意点をご紹介しました。少しの注意と手間をかけるだけで、真珠は美しい状態を長く保つことができます。また、真珠は定期的なメンテナンスとして、プロの手を借りることも大切です。真珠は専門性の高い宝石であるため、スペシャリストによる適切なアドバイスと、多岐にわたるメンテナンスサービスを提供する店舗をお選びくださいね。

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