【真珠の色】調色・着色・染色の違いとは?色の改変や過度に加工された真珠は、劣化が早いので要注意

真珠は世界中から認められた日本の宝石であり、神戸市は世界一の真珠加工業の街です。

より美しくたくさんの真珠を世に送り出すために、多くの加工方法が生み出されてきました。

しかし、真珠の魅力を引き出すための「良い加工(改良)」と、低級品を高値で売るための「悪い加工(改変)」があることはご存知でしょうか?

せっかくの真珠を長く美しく使うためにも、悪い加工(改変)された真珠を選ばないように注意してくださいね。

本記事を読むと、無調色と調色の違いなど、真珠の色を選ぶコツがお分かりいただけるかと思います。

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真珠の色について

真珠の色はピンクやホワイトやグリーン、イエローが出る

真珠の自然色は、実体色と干渉色の2つの色が複雑に絡み合って、真珠特有の色を形成しています。

その色の複雑性から統一された基準や呼称はありませんが、主にホワイト系・グリーン系・クリーム系・ゴールド系・ブルー系に分かれています。

真珠の実体色とは

実体色はボディカラーとも呼ばれ真珠そのものが持つ色のことで、有機基質に含まれる色素によって決まります。アコヤ真珠やシロチョウ真珠は黄色色素、クロチョウ真珠は黒色色素を持っています。

真珠の干渉色とは

干渉色は、幾重にも重なったきめ細やかな結晶層が光の反射、屈折の作用を受けた輝きを持つ色のことであり、シャボン玉の表面や油膜にでるきれいな虹色のこと。

品質要素「テリ」と密接な関係があり、この美しい干渉色を持つということが、真珠が数ある宝石の中でも長年にわたって高く評価されている理由です。

真珠の加工について

無調色真珠と着色真珠の比較

調色(改良)

改良(エンハンスメント)とは、宝石の潜在的な美しさを引き出すための加工のことで、真珠においては調色のことを指しています。

色または外観を軽度に変化させる処理のことで、極めて軽度に色調を「改良」すること。国際的に認められている加工です。

着色・染色・放射線処理(改変)

改変(トリートメント)とは、真珠が有する本来の性質とは無関係に、化学的・物理的、人工的に色や外観を改変する加工です。

真珠全体が極端に赤いものや穴口に染料が残存しているものは、過度の調色(色の改変)といえます。

染色

天然または合成染料を用いて、真珠の色を「改変」すること。

着色

化学薬品など染料以外の物質により、真珠の色を「改変」すること。最も一般的なものは、硝酸銀により真珠を黒くする着色である。

放射線照射

真珠に放射線(主としてγ線)を照射して色を「改変」すること。
(※食品にも使用される技術ですので、人体に影響はありません)

研磨

桶磨き、皮磨き、バフかけ、高速研磨、酸研磨など、物理的・化学的方法で真珠表面のテリを向上させること。

漂白

真珠に含まれる有機物の除去(シミ抜き)、色素の除去(ホワイトニング)により、色の調整および安定化させること。

真珠の色の評価・ランク

真珠の色は、ホワイト・イエロー・ピンク・グリーンなど色々とあります

真珠の色は、どの色が一番良いかという絶対的評価はありません。流行や国柄により評価は変わります。大切なことは、真珠の色は「好み」で選ぶことです。

しかし、真珠もダイヤモンドと同じく宝石であり、色により希少性が異なるのも事実です。

真珠の色の希少価値

アコヤ真珠やシロチョウ真珠であれば、調色・無調色にかかわらず、白雪のような「ホワイト色」に近い真珠が良いとされています。

ゴールデンパールであれば、より濃いゴールデン色のものが良いとされ、「ファンシーゴールド色」の真珠は最高です。

クロチョウ真珠なら、深みのある緑がかった孔雀の羽の色のピーコックグリーンは大変美しいものです。

改変された真珠の色にご注意

どのような宝石であれ、希少性の高いものは高値で売れます。

そのため真珠の色を「過度」な調色・漂白・研磨により真珠の色を誤魔化していたり、鑑別書の「〇〇真珠」という表記だけで高品質なものと販売している業者もいます。

販売スタッフも分からずお薦めしているケースもありますので、真珠についてしっかりと学んでいるお店に相談をしましょう。

調色真珠とは

テリの美しい母貝に乗ったアコヤ真珠

真珠は天然のアコヤ貝、つまり生き物が生み出す宝石です。

日本人も全員肌の色が少しずつ違うように、真珠も海から引き上げて取り出した段階(浜揚げ)だと真珠の美しさの要素である「色」「てり」「干渉色」がそれぞれ違います。

調色はその中の「干渉色」を補完し美しく見せるため行われる処理のことをいいます。

調色は人間でいうとお化粧のこと

調色を施すということは人間でいうお化粧をするのと一緒です。

お化粧をすることでどの真珠も美しさが増し、同じような干渉色のもの揃えることができます。

処理することで品質の底上げを行います。調色を行われた真珠は元々の干渉色が強くなり非常に美しい真珠に仕上がります。

国際的に認められている加工

この様に書くと調色は悪いものだと思われがちですが、真珠本来の輝きを補完するというだけで真珠を傷つけたりする処理ではありません。

世界的に認められている処理なんですよ。

美しい調色真珠はリーズナブルで、より多くの人が楽しめるように考え出された知恵の結晶と言えます。

無調色真珠の魅力とは

真っ白な雪のような色のアコヤパールネックレス

世の中にある真珠の95%は調色真珠で、無調色真珠は「5%」ほどしか流通していません。

無調色真珠は「すっぴん」状態

逆に無調色のままの真珠は、お化粧をしない「すっぴん」に近い状態です。

これは元の品質が良くなければいけません。無調色で販売出来るほどのクオリティのものは、流通する全ての真珠のうち25%と言われています。

無調色=良いもの?

また注意すべきは必ずしも「無調色=良いもの」ではないということ。本来、無調色で販売できる高品質な真珠は多くはありません。

しかし、無調色真珠というだけで高値で販売できることから、過度な漂白と研磨で無理やり白く輝かせている無調色もあって、そうした真珠は劣化が早いので要注意です。

希少性が高まる無調色真珠

さらに今、環境破壊と地球温暖化により海の環境が大きく変化しています。その中で日本アコヤの稚貝(貝の赤ちゃん)が育ず危機的な状況になってしまったのです。

このことは多くのメディアに取り上げられました。真珠自体の数が減ってきているため、今後ますます美しい無調色真珠は手に入りにくくなっていくでしょう。

無調色真珠をお勧めする理由

エリスヴェリーナのアコヤ真珠

私たちが無調色を推奨する理由は、真珠の本来の美しさと個性が際立っているからです。

無調色真珠の干渉色は一粒一粒に個性があって少しずつ違う色に見えます。ピンクが強いもの、グリーンが強いもの。ピンクとグリーンが混ざり合っているもの…。小さな珠の中に無限のオーロラが浮き上がります。

レフ効果により肌を美しくする

自分と本当に相性の良いパールネックレスを付けると、真珠は色の面積が大きいことから、干渉色とテリが反射し、肌を瑞々しく艶やかに見せてくれます。

ピッタリくる真珠を見つけた時の喜びは何にも代え難い特別な瞬間になるでしょう。

真珠は家族みんなの宝物

そしてもう一つ、無調色真珠を選ぶ重要な理由があります。

それは宝石は自分だけのものではなく、家族みんなの宝物になるという点。宝石は美しく、そして耐久性と希少性があるものが理想とされます。

そして良い宝石は親から子、孫へと代々受け継がれていくのです。ファッション性のあるデザインでも素材が一流であれば、それをリメイクして楽しむことができます。

ですから処理の少ない良質な真珠を選ぶことで、あなたの思い出も一緒に次の世代に託すことができるのです。

とはいえ、劣化の早い無調色真珠にご注意!

アコヤパールネックレスが黄色く変色し、肌が荒れて、糸も切れそうな状態

品質を改変(トリートメント)した真珠は、変色や肌荒れがなど劣化が早いため注意が必要です。

しかし、上述の通り、無調色真珠が高値で売れるからといって、過度な漂白、研磨を行っている真珠も珍しくありません。

劣化の早い無調色真珠の特徴(1)

過度な研磨により、真珠特有の条線模様が不鮮明で、光沢が「ピカピカ、テカテカ」しています。

これは表面の反射光であり、真珠が本来持っている深みのある柔らかいテリではありません

劣化の早い無調色真珠の特徴(2)

過度の漂白により、真珠層表層部に損傷(荒れ)を起こしています。

汗の付着等による荒れと似ていますが、それはメンテナンスにより回復することができます。

真珠に詳しいお店選びが大切

どんな宝石でも処理をし過ぎると美しくなくなったり劣化が激しく長持ちしません。

特に真珠はタンパク質で出来ていますから、無理な処理は真珠そのものを傷めてしまい、上記の写真のように変色や肌荒れ等のスピードが早まってしまいます。

品質の改変をしっかり見極め、説明できる店員さんにご相談くださいね。

さいごに

神戸市北区と福山市にある呉服・真珠のえり正の店舗

真珠をはじめ宝石は良い物を長く使い続けるのが当たり前になってきました。

その中で真珠は処理の少ない無調色真珠が支持されるようになったのです。

真珠を購入する時は、手に取った真珠が誰か大切な人のもとへ行くことをイメージすると素敵なお買い物ができますよ。

真珠のご相談は、神戸市と福山市にある専門店えり正にご相談くださいね。

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